四章 安全な転び方
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ファンスキーに限らずですが、ウィンタースポーツをする以上転ぶことは避けられません。
このページのタイトルに「安全な」とありますが、あくまで危険な転び方に対してそう呼ぶのであり、この転び方をしたら絶対怪我をしない、などということはありません。しかし転倒を避けられないのは既に述べたとおりですので、転ぶのを怖がるのではなく、なるべく怪我を回避できるような転び方を覚えることが不可欠なのです。
ここでは、転んだ方向別に分けて、それぞれ転び方を解説します。
なお、このページの目標は以下の通りです。
目標:
・前後左右に転んだ時のそれぞれの転び方を身に付ける。 |
(1)後ろに転んだ場合
ファンスキーを初めて日が浅い内は恐怖心から重心が後ろに行きがちになります。よって後ろに転ぶことが多くなります。
このとき重要なのは、
・ 手をつかない。
・ お尻か背中全体で受身を取る。
・
足を上げる。
・ あごを引く。
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まず手はついてはいけません。手をついてしまうと突き指や手首の骨折などの怪我をする恐れがあります。
ですのでお尻で着地するか、背中で受身を取ります。
(柔道の受身のイメージです)
ただしこの場合は頭を地面に打ち付けてしまう可能性があるので、しっかりとあごを引きます。
また板が雪面に引っかかると、足の靭帯を痛めたり骨折したりする恐れがあるので、足を上げて回避します。
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(2)前に転んだ場合
前傾姿勢になりすぎたり、板が雪に取られたりすると前に転んでしまいます。
前に転倒した場合、顔(頭)を打つ危険性が高くなります。重大な怪我を避けるためにも、他の転び方以上に首から上を守る転び方を
心がけなくてはなりません。
前に転ぶ場合、以下のような方法があります。どちらの転び方も出来るように練習しましょう。
・ 前回り受身の要領で背中から着地する。
・
腕と胸全体を使って受身を取る。
(※いずれの場合も足を上げる。)
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まず一つは、柔道の前回り受身の要領で頭をお腹の方へ抱え込み、半回転して背中から落ちる
方法です。でんぐり返しをイメージすると良いかもしれません。
背中で受身を取った後は、後ろに転んだ時と同様です。あごを引き、足を上げましょう。
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もう一つは、そのまま前のめりに倒れ、腕と胸全体を使って受身を取る方法です。
前回りをする余裕がなかったときや、あまりスピードが出ていない平地などで転びそうになったときは、無理に回ろうとするよりそのまま倒れこんでしまった方が良い場合もあります。
顔を守るため、肩から手首の間の部分を使って受身を取ります。このとき手(掌)からついてしまうと手首や指に負担がかかり、やはり痛めてしまう原因になりますので、手首から先はつかないようにします。
そしてこのときも足の引っかかりを防ぐため、足は上げます。
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(3)横に転んだ場合
ターン(方向転換)やグラウンドトリックをした時には、横に転ぶ場合もあります。
その場合注意するのは以下の点です。
・ 腰からスライディングするイメージを持つ。
・
手足は地面につけない。
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横に転んだ場合はそのまま腰(お尻)でスライディングするようなイメージです。
ここでも足、手はつかないようにします。
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※転ぶ時の注意
滑っていて転びそうになった時は、無理に踏ん張ろうとするよりも、転んでしまった方が安全です。
転ぶまいと踏ん張りすぎてしまうと、足腰に負担がかかり靭帯や筋肉を痛めてしまう場合があるからです。
もちろん、転ぶ時は今まで説明してきた、安全な(怪我のしにくい)転び方をするのは言うまでもありません。
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★この章の目標は達成できたでしょうか?
・前後左右にそれぞれ適切な転び方ができる
OKであれば、
五章 滑る・止まる・登る
へどうぞ。
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