三章 正しい姿勢とスケーティング



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この章では、滑走の基本となる姿勢や移動法などについて解説します。
この章の目標は以下の通りです。


 <目標>
・基本姿勢を身に付ける
・ファンスキーを履いて歩けるようになる
・スケーティングを習得する




※ここからは滑るために必要なことを解説していきますが、その前に必ずして欲しいことがあります。
 それは準備運動です。スポーツをするなら当たり前のことですが、準備運動をしない、または疎かに
 すると、怪我をする確率が上がります。
 なので必ず行うようにしてください。滑る時は全身を使いますので、腕、肩、腰、首、もも、ひざ、アキレ
 ス腱、手首、足首、股関節・・・などあらゆる筋肉・関節をほぐせる様に充分ストレッチを行ってください。




@ 滑る時の姿勢

スポーツにおいて姿勢は大変重要なもの。これを疎かにすると上達の妨げに繋がりますので、
きちんと覚えましょう。以下の五つがファンスキーにおける基本姿勢です。


<滑走時の基本姿勢>

姿勢


 (1)膝を軽く曲げる
 (2)足首を軽く曲げる
 (3)腰の位置は板のセンターの真上
 (4)肘を曲げ、腕を体の前方に置く
 (5)しっかり前を見る





(1)膝を軽く曲げる & (2)足首を軽く曲げる

直立した状態では体を柔軟に使うことができないので、膝と足首をリラックスさせて軽く曲げます。


(3)腰の位置は板のセンターの真上

腰これが姿勢を意識する上で最も重要だと言っていいでしょう。前傾過ぎでも後傾過ぎてもバランスは悪くなるので、
しっかりと板の真ん中に乗ることを心がけます。
すねをブーツに軽く押し当てるくらいにすると丁度良いでしょう。








(4)
肘を曲げ、腕を体の前方に置く

ストックを持たないので、バランスを取るために手は前方に置きます。


(5)しっかり前を見る

目 初めはつい足元を見てしまいがちですが、下を見ていると他の人や障害物に激突する危険があり、また
全身のバランスも悪くなってしまいます。なので顔を上げて視線は前方へ。
ただしあまりにも遠くを見すぎると今度は足元の状況に対応できなくなりますので、5m〜10mくらい先を見るようにすると良いでしょう。




Aファンスキーを履いての移動

いきなり滑り出すのも怖いと思います。なので、まずは歩くことから始めましょう。
慣れないと滑る足場を歩くのは難しく感じるかもしれません。
歩き
動画


最初は上半身が遅れて足だけ先に行ってしまいがちになることが多いので、しっかりと踏み出した足に体重を乗せて上半身が遅れないようにしましょう。このことが次で説明するスケーティングで生きてきます。また、足元を見たくなりがちですが、ここでも基本姿勢と同じく視線は前方へ。



Bスケーティング

スケーティングとは、スキーを履きながらスケートの滑走のような動作で移動する技術です。
平らな場所を移動する時、毎回板を着脱していては面倒ですし、スキーを履いたまま歩いて行こうとするとなかなか進まず、時間と体力を浪費してしまいます。そこで必要になってくるのがスケーティングです。
スケーティングが出来るようになると、雪面をすいすい移動できるようになります。
また、平地を移動するときのほか、滑走中に加速したいときにも必要になる技術です。

流れとしては、以下の通りです。


 (1)板の前方を開く
 (2)蹴り出す方の板のインエッジをしっかりと立て、雪面を捉えて蹴りだす
 (3)踏み出す方の板は自然に滑らせる


 
板 
(1)まずは板の前方を開きます






(2)蹴り出す方の板(後ろ足)のイン(内側の)エッジを立てます

エッジ※エッジとは、 スキー板の両サイドに付いている金具の部分 のことです。(写真赤枠 部分)
スキー板を履いて足の内側 (親指側) に来るのがインエッジ、外側 (小指側) がアウトエッジとなります。

 板の底面は摩擦が少ないので、板の両サイドの部分であるエッジに圧力をかけ、雪に食い込ませて、しっかり蹴りこむ力を生み出すわけです。また、↑下線部の行為を「エッジを立てる」と言います。
           
             ↑クリックで拡大します↑

(3)踏み出す方の板は自然に滑らせます
進行方向に対して板が真っ直ぐになるようにします。

スケーティング1 動画@

(1)〜(3)を両足交互に繰り返すことによって、体は前に進んでいきます。
初めは片方の足ずつ蹴って滑って止まる、とスケーティングを練習してみて下さい。
そして慣れてきたら、休みを入れず連続で蹴って滑って、蹴って滑って・・・と練習してみると良いと思います。
連続で行うと動画の様になります。


スケーティング2
動画A



足の動きに合わせて腕を振ると、より進みやすくなります。







★この章の目標は達成できたでしょうか?


・ 基本姿勢を取れる
・ ファンスキーを履いたまま上体が遅れることなく歩ける
・ スケーティングでの移動ができる


全てOKであれば、

四章 安全な転び方

へどうぞ。


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